一期一曾
2008.11.30 記憶めぐり
年をとって来たのか、最近昔の思い出を頻繁に『記憶めぐり』することがあります。
葬儀業界にお世話になってから、もう十数年が過ぎようとしています。
誠にありがたいことに、千件以上の御葬家の方々と接することか出来ました。
1.000件の御葬家様との出会いがあったとしたら、その御遺族・御親族の平均の人数が20人として、20.000人の方々との出会いがあり、御会葬者の平均が100人としたら、200万人以上の方々と触れ合っていたことになるのでしょう。
改めてこうして考えてみますと、すごい人数だなぁと我ながら驚きました。
故人様の印象が深かった御葬家様があれば、御遺族の方々の印象が深かった御葬家様があります。
様々な出会い、様々な思い出があります。
お通夜の晩になり、故人はこよなく愛好していたのが『競馬』でしたと聞かされて、帰社する途中で『有馬記念』と印刷された馬券を探しに場外馬券場の近くに探しにいったこともありました。
翌日には、その『有馬記念』の馬券はもちろん柩の中に納めていただきました。
また、『水戸黄門』が大好きで欠かさずTVを見ていましたという故人様には、夜な夜なTSUTAYAにCDを求めに出向き、翌日の御出棺の時に「あぁ人生に涙あり」の流れる中で野辺の送りをさせていただいたこともあります。
今、私に出来る事は全て妥協せずに尽くしてみたい、そんな思いから自分自身に言いきかせそうさせていたのだと思います。
29歳になり思い切った転職で、葬儀社に新人として雇われたときは、右も左も分からずに毎日があっという間に過ぎていたことを思い出します。
白木祭壇の準備に入り、素手で祭壇に触れてしまい先輩から厳しく注意をされたこともありました。
道具の一つ一つの名前を覚えるのに苦労も致しました。
「化足(けそく)持ってこい」と先輩に言われ、どれがその名前の物なのかも分からずに葛藤の日々を送りました。
道具を大切に出来ないやつに、いい仕事は出来ないと先輩から教えられ鍛え上げてられてきました。
葬儀屋は、職人です。
葬儀現場の飾り付けは、その葬儀の担当した人間で良くもなれば悪くもなります。
温かい雰囲気を出し、故人様を偲ぶための空間を創り出すのも葬儀社、いや葬儀の担当者によって左右されるのでしょう。
私は、厳しかった先輩方との出会いがあったからこそ、今の自分があり、お客様方から「ありがとう」と伝えていただけているのだと心から感謝しております。
お客様から、「お葬式」という自分なりの抱いていた概念が、私どもの提供している「お葬式」を経験していただき、変わったと言われることがあります。
どこが、どのように、違うのか?
具体的にここですといった、ご指摘まではなかなか頂けないのですが、何かが違うと言われるのです。
「温かい」とか「偲べた」とか、そうした言葉ですが、頂く事があります。
本当にありがたいと、私自身もその時は特に感謝いたしております。
私どもは、昨日よりも今日、今日よりも明日、という思いで日々精進できるように頑張っております。
当たり前のことを、当たり前にできるようになること。
時間と労力を惜しまないこと。
「できません」「だめです」などと言わないで可能に近づけること。
ご縁が御座いましたら、渥美家本店を宜しくお願い申し上げます。(憲)

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